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大学生のアイデアで「眠っている特許」を目覚めさせよう

「休眠特許」という言葉を知っていますか? これは企業が自社製品に使わず、他社にもライセンスしていない未利用特許のうち、競合他社の特許活用を阻む「防衛目的」もない特許のことを指します。特許庁によると、国内特許の約157万件(2013年度)のうち、18%にあたる28万件がこの休眠特許だそうです。
こういった大企業が抱える「眠る特許」を活用し、大学生が新たな商品を生み出した産学連携のニュースが、2月22日付けの日経新聞で紹介されています。

昨年12月、京都市内で開かれた「知財活用アイデア大会」では、大学生のチームが休眠特許を使った商品アイデアの独創性や実現可能性、具体性を競いました。埼玉県産業技術総合センターなどが主催し、富士通、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、NHKが特許を開放、全国から11大学が参加。最優秀賞に選ばれたのは、小型ドローン(無人飛行機)で遊べるゲームを考案した昭和女子大学でした。

この大会に登場したアイデアを商品化する動きも出ています。
「フォトローズ」はバラの花びらに印刷した写真にスマートフォンをかざすと音声を聞くことができる商品。フラワーショップUca(東京・渋谷)が販売を予定しているこの商品は、富士通の特許を利用し、駒澤大学経済学部の学生7人のアイデアが活かされています。学生たちは世田谷区のフラワーショップや結婚式場への聞き取り調査をし、事業計画を組み立てました。

また、富士通の「芳香発散技術」という特許を活用したカード式芳香グッズ「アロマレフレール」。この商品は専修大学経済学部の学生と松本製作所(川崎市)が共同開発したものです。今後は、商品開発だけではなく「売る戦略」を学生と一緒に考える計画です。

大企業では技術者の士気向上や研究開発体制の充実、中小企業では小回りの利く独自製品の販売、そして大学生は柔軟な発想とビジネス感覚の養成という三者それぞれの強みを発揮しながら、「三方一両得」の仕組みとなるこれらの取り組みは、新たな産学連携の動きとして注目されています。
眠っている特許とともに、あなたの中にあるアイデアも目覚めさせてみませんか。

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